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ウォール街のランダム・ウォーカーを要約!長期投資には欠かせない1冊

2021年1月13日

今回紹介するのは、「ウォール街のランダム・ウォーカー」です。
1973年の初版依頼、全米累計150万冊を超えるベストセラーです。日本の投資家も読んでいる人は多いです。

本書を読むことで、次にあげる内容を理解することができます。

  • インデックスがなぜ他の投資手法よりも勝っているのか?
  • 長期間インデックス投資をやるうえで守るべきルールは何か…
  • 年齢に応じたリスクコントロールはどうやるべきか…

インデックス投資は、守りを中心とした投資法です。

長期間投資をしていくうえで、守るべきルールやリスクの少ないポートフォリオ構成などが説明されています。

本書はインデックス投資を習得したい人に向けて作られた1冊です。投資初心者向けの本ではなく、ある程度の投資経験があり長期投資をする覚悟のある人が読むべき内容となっています。

本記事では、書籍の内容でインデックス投資を理解するうえで重要なところを、紹介していきます。

投資経験が浅い時に読んでもわからなかったものが、経験を積むたびにわかるようになってきます。1度のみならず、何度も読み返すことで理解が深まる1冊です。

株式市場は個人投資家には厳しい世界

株式投資をしていると、AIによる取引や機関投資家による大規模売買に左右されることがほとんどです。

そのため、個人の少ない資金での無力さを感じることはあると思います。

「今日では一般の投資家はウォール街のプロにはとても太刀打ちできないと言われている。

いわく、複雑なデリバティブ商品やコンピューターを使った頻繁なトレーディング手法を駆使する専門家たち。

頻発する大規模なTOB合戦や粉飾決算、あるいは潤沢な資金を動員して暴れまくるヘッジファンドが支配する世界なのだ。」

さまざまなテクニックや知識を駆使したプロでさえ、市場平均を上回ることが難しい時代です。

個人投資家であればなおさらで、どれだけ知識やテクニックを駆使しても市場には勝てないというのが前提にあります。

「ランダム・ウォーク」の世界で過去の分析は無意味

本書のタイトルにある「ランダム・ウォーク」とはどういう意味か?

それは、「物事の過去の動きからは、将来の動きや方向を予測するのは不可能である」ということです。

証券アナリストの将来予想、複雑なチャートパターン分析などを用いても、その予測は無駄だということです。

ファンダメンタル分析やテクニカル分析などの手法をプロが用いても、市場平均を上回るリターンを上げ続けているトレーダーは僅かです。

それは、チャートから過去をいくら分析しても、必ずしも予測どおりに株価が動くとは限らないからだということです。

株式投資は一種のアートでもある

分析を得意とする専門家でさえも、バブルのような熱狂が起こりだすと、その分析手法を乗り捨ててしまいます。

ほとんどの投資家は合理的に動こうという考えを持つものも、実際は合理的に行動することはできません。

それは、自信過剰、偏った判断、群れの心理、損失回避願望などが影響するからです。

株式投資はある種の特殊な才能と幸運という神秘的な力の助けを必要とする、一種のアートである。

市場平均を上回り続けてきた少数の人は、単に運がよかっただけなのかもしれない。

そのような状況の中で、長期に渡り勝ち続けている人はごく稀です。

それゆえ、株式投資は一種のアートでもあると言われている所以となります。

「ランダム・ウォーク」の世界ではインデックス投資が最強の戦略

このように予測不可能な市場で勝ち続けるには、インデックス投資が最強の戦略と説明しています。

個人投資家が長期投資で成功するための重要な要素として、次の2つをあげています。

  • リスクとリターンはトレードオフであり、バランスのよい銘柄を選ぶこと
  • リスクを自分自身が許容できる範囲でのポートフォリオを組むこと

これを満たしているのがインデックスファンドであり、素人でもプロに勝てる最強の投資戦略と説明しています。

個人投資家が守るべき10個のルール

いくらインデックス投資が最強の戦略だとしても、著者は全資産をインデックス投資につぎ込むことをすすめてはいません。

インデックス投資は長期間にわたり資産形成をするための手段であり、投資以外の資産管理においてもリスクを最小限にするためのルールを、「全ての投資家に役立つ10カ条」として本書に記載しています。

その10カ条が以下となります。

  1. 元本を充分にたくわえる
    投資をはじめる前に資金を充分に持っておくこと。継続性のある貯蓄計画が何よりも重要。
  2. 現金と保険で万一に備えよ
    将来予定する支出や思わぬ支出に備え、全額投資せず現金や保険は必要となる。
  3. 現金でもインフレ・ヘッジ
    手元現金もそのまま持たず、インフレヘッジ対策をしておくこと。
  4. 節税対策と年金制度の利用
    免税措置をフルで活用し、税金がかからない形で効率的に資産を増やすこと。
  5. 運用目標をはっきりさせる
    毎日安眠できる水準までリスクをさげること。
  6. マイホームの活用
    インフレヘッジに最も有効な資産である不動産投資をポートフォリオに組みこむこと。
  7. 債券市場に注目
    大きなリスク分散効果があるため債権によるリスクヘッジを行うこと。
  8. 金、ダイヤ、書画骨董、コレクター・アイテム
    何でもかんでも手を出さず、投資してよいものと悪いものを見分けること。
  9. 投資にかかるコストに目を配る
    投資効率を高めるため支払う手数料についても削減すること。
  10. 分散投資が大原則
    リスクを軽減し長期的に平均リターンを達成させるために重要な手段。

インデックス投資の基本は「長期、分散、低コスト」と呼ばれています。

この10カ条はそれらを実現させると共に、株式以外の資産や現金もポートフォリオに組み込むことでのリスクヘッジを重要視しています。

本書を読んで最も参考になるのはこの部分です。書籍内ではより詳しく書かれていますので、投資家であれば必ず理解しておいたほうがよい内容です。

 

アセット・ミックスの考え方

そして、最後には株式、債権、不動産などの「アセット・ミックス(ポートフォリオ配分)」を決めるうえでのポイントを解説しています。

そのポートフォリオは年代に応じて配分比率が変わります

インデックス投資は単に同じ銘柄を積み上げればよいと考えられがちですが、ポートフォリオを分散させ、定期的にその配分比率を見直す(リバランス)ことが効果的な運用となります

この年代別配分比率とリバランスについても、長期投資をするうえで重要なポイントとなります。書籍内に具体的な比率やリバランスの方法について書いてあり、とても参考になります。

まとめ

このようにウォール街のランダム・ウォーカーは、長期投資をするうで必要なことが網羅されているため「長期投資のバイブル」とも言われています。

そして本書に書かれているように、インデックス投資は本当に最強の投資法なのか?

次にあげるNYダウとS&P500の直近30年のチャートの推移をみれば一目瞭然です。

S&P500はインデックス銘柄でも最も人気のある指数です。いづれの指数もこの30年間で10倍以上の上昇率があり、平均利回りは約9%です。

これをみてもわかるように、本書の内容を参考にS&P500指数に対してインデックス投資をしてきた人たちは、大きな利益を得ることができています。

株式投資の知識がなく毎月一定額を機械的に積み上げているだけで、年間9%近い利益を得ることができるのです。

これが、素人でも勝てる投資法といわれる理由です。

 

20年後に投資で積立てた資産でFIREしたい人や、老後までにしっかりと資産形成したい人は、間違った投資方法でお金が増えないなんてことがないように、本書を読んでおくことをおすすめします。

本書は出版されてから50年近く経ちますが、今でもインデックス投資は世界中の最も多くの人々が実践している投資手法です。

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