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「つみたてNISA」で失敗しないための基礎知識

2021年6月9日

長期的な資産形成をする人にとって、「つみたてNISA」は必ず利用したほうがよい制度です。

「つみたてNISA」はどういうものかというと、長期の積立・分散投資を通じた資産形成を後押しするために創設された税制優遇制度です。毎年40万円まで投資することが可能で、最長20年間、投資から得た利益が非課税となります。

しかし、投資になれていない人は、「つみたてNISA」をどのように活用すればよいかわからない人も多いです。

よくわからないままはじめることにより、制度を有効に活用できていないケースもよくあります。

そこで、このブログでは投資初心者でも「つみたてNISA」で失敗しないための基礎知識を解説します。

このブログを読むことで、次のことを理解することができます。

  1. 「つみたてNISA」について
  2. 長期投資の基本的な考えかた
  3. 「つみたてNISA」の失敗例
  4. 「つみたてNISA」での具体的な商品選定

それでは、以下で詳しく説明していきます。

「つみたてNISA」とは

「つみたてNISA」とは、最長20年間投資から得た利益が非課税になる制度です。

「一般NISA」は当初は非課税期間5年間のものだけでしたが、長期投資用に2018年1月から「つみたてNISA」が新設されました。比較すると、以下のような内容です。

証券口座をもっていれば、「一般NISA」もしくは「つみたてNISA」のいづれかを使うことができます。

口座数は「一般NISA」が1209万5800件に対して、「つみたてNISA」は274万5400件と少ないです。しかし、2020年6月から9月の3か月間の口座増加数は「NISA」8万8600件に対して、「つみたてNISA」が30万1700件です。このように、現在は「つみたてNISA」のほうが人気が高いことがわかります。

これは「老後2000万円問題」が意識されるようになり、今よりも将来にお金が必要になるため、短期投資よりも長期投資をする人の割合が増えているためです。

なお、「一般NISA」は2023年に廃止され、2024年から「新NISA」に代わります。「新NISA」は20万円の積み立てが必須で、それを行わないと個別株の取引はできません。制度としてはより積み立てを重視した内容に変わっていきます。

長期投資の基本的な考え方

「つみたてNISA」は長期投資向けの制度のため、長期投資の考え方の理解が必用です。

長期投資は、複利効果を活用した投資方法です。複利効果とは、運用で得た収益や利息を再投資することで、雪だるま式にお金を増やしていくことです。

例えばですが、毎月3.3万円を年利6%で運用すると、20年後には以下の資産となります。

資産1500万円/元本800万円

元本というのは自分が投資したお金です。年利6%の複利が積み重なって約700万円もの利益を生み出しています。なお、銀行預金の場合はほとんど利息がつかないため、20年後も800万円のままです。

そして、投資期間が30年となると、更に増えます。

資産3200万円/元本1200万円

2000万円もの利益を生み出すことになります。

米国の株価指数であるS&P500の直近30年の平均利回りは8.3%です。このS&P500に連動した商品も「つみたてNISA」で購入することもできます。

このように長期投資をすることで、誰でも簡単に資産形成をすることができます。

長期投資の基本

長期投資については、以下を守るのが基本といわれています。「つみたてNISA」も長期投資なので、同じ考えで運用することになります。

 

・インデックス(指数連動型)商品に投資する

全世界や全米というような、株式市場全体の動きを示す指数に連動した商品に投資をします。長期に渡りこれらの指数はあがり続けているため、指数にあわせて投資をするだけで利益を出すことができます。

参考までに、以下はNYダウとS&P500という米国の経済指数の過去30年の上昇率です。

いづれも30年前と比較して、10倍以上あがっています。年利も平均で8.3%と高い上昇率であることがわかります。

指数と連動した商品に投資することをインデックス投資と呼びます。詳しくはこちらのブログで解説しています。
≫素人でもプロに勝てる!インデックス投資について詳しく解説

 

・長期的に毎月一定額を同じ銘柄に投資しつづける

長期的に毎月一定額を投資し続けることにより、購入価格が平均的な数値になります。この手法は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、上昇トレンドの場合に利益を出しやすいです。

株価の上下に関係なく投資を行うため、投資タイミングを都度判断する必要がありません。初心者には最適な投資法として多くの人が活用しています。

 

・分散投資を行う

少ない銘柄だけの保有だと、その銘柄の業績が悪くなったり不祥事が起きることで株価がさがり、資産にも影響が出ます。そのため、特定銘柄の影響を小さくするよう、複数の銘柄に分散投資をしたほうが、小さなリスクで運用することができます。

この分散投資に適しているのがインデックス商品です。S&P500は500銘柄、全米株式は約3500名がらで構成されているため、1つの商品を買うだけで充分に分散投資になっています。

 

・手数料や税金を安くおさえる

手数料が発生するのは売買手数料や運用手数料です。仮に毎月5万円投資していた場合、運用手数料が1%違うだけで20年後には約140万円の差異が発生します。そのため、手数料の安いネット証券を使うのは基本です。

税金を抑える手段としては、このブログの主題である「つみたてNISA」が最適です。

「つみたてNISA」をするのにおすすめのネット証券はこちらのブログでも紹介しています。
≫【株式投資初心者向け】おすすめのネット証券3社を紹介

「つみたてNISA」の失敗例

「つみたてNISA」は長期投資にて時間を活用して利益を伸ばす方法ですが、投資方法を失敗するとその時間を無駄にすることもあります。

特に、投資初心者がおちいりがちな失敗を、次に紹介します。

 

・すぐに売ってしまう

すぐに売ってしまう理由としては、「自信がない」「思いのほか利益がでた」のいづれかかになります。

しかし、「つみたてNISA」は複利をつかって、20年間という期間で利益を最大化するための制度です。上限もあるため、基本的には一度購入したら20年間売らないでください

 

・運用手数料の高い商品を買ってしまう

運用手数料(信託報酬ともいいます)が高すぎる商品をかうと、利益が大きく減ってしまいます。手数料が1%違うだけで、20年後の資産は約142万円の差が生まれます(下図参照)。

商品AB
毎月の投資額33,333円33,333円
投資期間20年20年
年間利回り6%6%
年間経費率0.1%1.0%
20年後の資産15,023,818円13,585,519円

投資商品の詳細には必ず運用手数料(信託報酬)が書いているので、きちんとチェックしましょう。インデックス商品では、0.1%台の商品も数多く存在しています。

 

・最初からリスクヘッジを取りすぎ

若い頃にリスクヘッジが強い保守的なポートフォリオを組むと、お金の増えるペースが遅くなります。40歳以上など年を取ってからはリスクヘッジは充分にとるべきです。しかし、資産が少ない人や若い人は失敗してもやり直しがきくため株式中心のポートフォリオを組みましょう。

「つみたてNISA」の具体的な商品選定

最後に、これまで説明した視点から、「つみたてNISA」に最適な商品を2つ紹介します。いづれかひとつを上限まで投資するか、それぞれ半分づつという手段もあります。

1000万円以上の資産に到達するまでは、この2つに絞った運用でも問題ありません。

 

①eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の、主な特徴は以下となっています。

特徴

  1. S&P500指数に連動した投資商品
  2. 成長性の高いGAFAMなどのハイテク企業が上位銘柄
  3. 総資産額は約1706億円
  4. 経費率は0.0968%以内

過去10年でGAFAMなどの米国ハイテク株に牽引されて成長性の高かったS&P500に連動した投資商品として人気があります。

構成上位の銘柄は、次の通りです。

上位の構成銘柄
 APPLE INC6.5%
MICROSOFT CORP5.4%
AMAZON.COM INC4.8%
 FACEBOOK INC-CLASS A2.4%
 ALPHABET INC-CL A1.6%
ALPHABET INC-CL C1.6%

実に、GAFAMだけでも22.4%をしめています。その他にも、アメリカを代表する有名企業が上位構成されています。

 

②eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の、主な特徴は以下となっています。

特徴

  1. 日本を含めた全世界の株式に分散投資
  2. 投信ブロガーが選ぶ! 「Fund of the Year 2020」の投票で第1位
  3. 総資産額は約776億円
  4. 経費率は0.1144%以内

このように経費率の安さと総資産額の大きさから人気のある商品となっています。

また、構成銘柄の上位の国とカテゴリーは以下の通りです。

投資先の構成(国)投資先の構成(カテゴリー)
アメリカ55.0%情報技術21.0%
日本6.7%金融12.9%
イギリス3.5%一般消費財・サービス12.5%
ケイマン諸島3.1%ヘルスケア11.4%
フランス2.8%資本財・サービス9.3%

「分散投資」「経費率の低さ」からメイン商品としてポートフォリオに組み込む人が多い商品です。

まとめ

ここまで、「つみたてNISA」で失敗しない基礎知識を紹介してきました。

福利効果をみてもわかるように、毎月の投資金額が3万円程度でも投資期間が長ければ3000万円以上の資産をつくることができます。

マネーリテラシーの低い日本では銀行預金が主体であったのですが、このような制度をきっかけに投資をする人が増えています。しかし、実際にはどれくらいの資産が築けるかは知らない人も、まだ多いと思います。

また、単純に制度を利用して投資しただけでは資産が増えないこともあります。残念ながら証券会社の窓口などでは、自社に利益率の高い商品を薦めるところもあります。

20年以上の投資期間となるため、実際に資産が増えていたかの答え合わせは20年後になります。しかし、本ブログで紹介した内容は世界的に多くの人が実践している手法であるため、資産を増やすことができるベストな方法とし答えが出ています

これから「つみたてNISA」を始める人は、このブログ内容を参考にはじめてみてください。私もこの手法で実践しています。

もし投資口座をネット証券に開設していない人は、すぐに申し込みをしましょう。複利効果は長ければ長いほどよいので、できるだけ早くはじめることをおすすめします。

「つみたてNISA」はどの証券会社がよいのかは、こちらの記事で解説しています。
≫【つみたてNISA】証券会社の比較とおすすめ銘柄を紹介

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