『投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント』は、長期投資のカリスマといわれる2人の著者によって書かれた最強の長期投資のバイブルです。
その2人とは、
『ウォール街のランダム・ウォーカー』のバートン・マルキール
『敗者のゲーム』のチャールズ・エリス
です。
いづれの著書もベストセラーで、とても多くの投資家に読まれていますが、『投資の大原則』はこの2冊を凝縮したような1冊です。
本書はどのような人に向いているかというと、「つみたてNISA」や「iDeCo」などの長期での資産形成を考えている人です。
特に、
「年金2000万円問題の対策として、投資をはじめたいがどうしてよいかわからない」
という人におすすめです。
本記事では、本書の重要ポイントを紹介し、どのような内容が書かれているかを紹介します。
1.まずは貯蓄を始めよう
長期投資で一番重要なことは貯蓄をすることです。まずは、支出よりも収入を多くすること。そこから投資が始まります。
金持ちになる早道は簡単だ。支出を収入より少なくすること。そうすれば、もうあなたはお金を持っている。
次にあげる内容は、本書にて貯蓄をするうえで重要とするポイントとなります。
・節約して損することはない
節約の第一歩は無駄遣いをやめること。自分以上の収入以上に浪費する生活、とくにクレジットカードの使い過ぎをやめることだ。
・「時は金なり」の本当の意味
ゆっくりと確実にお金を貯める秘訣は、投資で得た利益を再投資(複利)すること。アインシュタインは、複利こそが宇宙で最も強力な力だといった、とされる。
・節約をゲームとして考える
節約する人は節約が好き、ということ。多くの場合、上手な節約の秘訣は、節約をゲームとして考えること。誘惑をはねのけるゲームとしてとらえるのだ。
・コツコツ貯める
「1ペニーの節約は、1ペニー稼ぐのと同じ」。この言葉は正しいが全てが正しいわけではない。
お金を貯めて投資にまわせば7%のリターンが得られる。今日1ドル節約できれば、10年後には2ドルになり、20年後には4ドル、30年後には8ドルでどんどん増える。
・税制優遇をフル活用する
税金を節約することが家計運用のポイントとなる。税金を節約すれば、それを蓄えて投資にまわせる。
・今から始めても遅くはない?
若い頃からきちんと蓄えてこなかったとしても、経済的に安定するための基本ルールは、いつから始めても遅すぎることはない。
この中で、日本で「税制優遇の活用」をするためには、つみたてNISAとiDeCoを利用するのが最もよいです。
詳しくは、以下の記事にて詳しく説明しています。
≫「つみたてNISA」で失敗しないための基礎知識 続きを見る 続きを見る
参考「つみたてNISA」で失敗しないための基礎知識
≫税制優遇制度が充実!確定拠出年金の詳しい内容を解説
参考税制優遇制度が充実!確定拠出年金の詳しい内容を解説
2.シンプルな投資法
投資手法においては、手数料の安い「インデックス投資」を推奨しています。
インデックスファンドは株式市場(または債権市場)のすべてを銘柄を選ばずに単純に買うものだ。
個々の銘柄や株や債権、投資信託に投資するのと比べて、このインデックスファンドはこの銘柄を買って損をした、得をしたと心配せずにすみ、時間もかからない。
著者の1人であるバートン・マルキールは、『ウォール街のランダム・ウォーカー』の中で、
インデックス投資は素人がプロにも勝てる最強の投資法
として、紹介しています。
・インデックスファンドという手法
インデックスファンドは、市場を構成するすべての株を買って持つ単純な投資法だ。私たちは長年の経験から、投資対象の広いこのファンドが、手数料の低い良い方法だと考えてきた。
・いくつかの注意点
全てのインデックスファンドが同じではない。ものによっては、知らないうちに高い手数料を取られていることもある。手数料の安いインデックスファンドにとどめておくべきだ。
インデックス投資について、詳しくはこちらの記事でもまとめています。
≫素人でもプロに勝てる!インデックス投資について詳しく解説 続きを見る
参考素人でもプロに勝てる!インデックス投資について詳しく解説
3.9つの基本ルールを守る
損をしないために何をすればよいのかを「9つの基本ルール」として、まとめています。長期投資を成功させるための基本的なポイントとなるため、これからつみたてNISAやiDeCoで資産形成を考えている人は、おさえておきましょう。
1.お金は若いうちから定期的に貯めよう
複利を最大限効果的にするために、若いうちから投資をはじめることが何よりも重要です。今から少しづつでも投資にまわして長期的に運用することが、裕福になるための唯一の手段となります。
2.会社と国に資産形成を手伝ってもらおう
つみたてNISAやiDeCoなどの税制優遇制度を使うことで、より多くの資産を作ることができます。iDeCoは個人型の確定拠出年金ですが、会社によっては企業型の確定拠出年金があったりするので、積極的に制度を活用しましょう。
3.不時の出費に備えて現金は用意しておこう
投資に出来るだけまわすことも大事ですが、不時の出費にそなえてすぐに引き出せる現金を備えておく必要があります。人によっては、結婚や旅行などのライフイベントに使うお金をとっておくことも必要になります。
4.保険をかけているか確認する
これも不時の出費に備えるという点で必要です。特に家族がいる人ほど必要になります。保険を選ぶ際は、出来るだけコストの低いシンプルなものを選ぶのがよいです。
5.分散投資をすれば心配の種が減る
分散投資は長期投資においてリスクを減らすための手段です。インデックスファンドは全ての銘柄を購入することになるので、それだけでも分散投資になります。それを、新興国など世界中の地域に広げて分散すれば、より強固なものとなります。
6.クレジットカードローンは使わない
クレジットカードなど利子の高いローンは使わないことが重要です。もし、既にローンを組んでいたら、出来るだけ早く返済するよう努力することが必要となります。
7.短期運用の衝動を無視しよう
投資家の最大の失敗は、衝動に駆られて冷静さを失うことです。ビットコインや勢いのある個別銘柄など魅力的なものは多いですが、惑わされずにインデックスファンドにて長期投資を続けることが必要とされます。
8.低コストのインデックスファンドを使う
長期投資をするうえで重要なポイントです。効率的にお金を増やすために、低コストのインデックスファンドを選びましょう。
9.「目新しい」商品はさける
短期間ですぐに金持ちにしてくれるという美味しい話があったとしても、それを避けることが大事です。
まとめ
このように本書では長期投資をするうえでの重要なポイントについて書かれている書籍です。これから長期投資を始めようと考えている人は、失敗しないためにも、読んでおくことをおすすめします。
改めて、本書に書かれている重要な点をまとめると、次の内容となります。
- できるだけ早くはじめる
- 低コストの商品を選ぶ
- 分散投資をする
- 税制優遇制度を活用する
特に、長期投資の複利効果を最大限にするためには、できるだけ早くはじめることが大切です。
ネット証券であればコストも低く、つみたてNISAやiDeCoという税制優遇制度に関連した商品が豊富にあります。まだ口座開設していないのであれば、インターネット経由で無料で口座開設ができるネット証券口座の開設をおすすめします。
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